model-y-1year-charging-cost-myths-2026

EV(電気自動車)に乗り始めてからというもの、寝る前にスマホで充電完了の通知を確認するのが、すっかり日課になりました。家族が寝静まった頃、駐車場のModel Yが静かに翌日の準備を整えている——そんな当たり前の光景に、最初は少し感動していたものです。

ただ、購入を検討していた頃は不安もありました。「EVは電気代が高くて、結局ガソリン車と変わらないらしい」「充電インフラが整っていないから不便だよ」。そう言われるたびに、自分でも答えを持っていなかったので、何となく頷いていた記憶があります。

あれから2年が経ち、Teslaアプリには丸1年分の充電データが蓄積されました。今回は、その実測データを公開しながら、買う前に何度も聞いた「EVへの誤解」を、自分の数字で振り返ってみたいと思います。

1年間の実測データを公開します

まずは結論からお伝えします。2025年7月から2026年6月までの12ヶ月間で、Model Yの充電に使った電力量と費用は次のとおりです。

項目実測値
年間走行距離約4,800km
総充電量780kWh
総支出25,722円
平均充電単価約33円/kWh
自宅充電の比率96%
スーパーチャージャー利用0%
その他の外部充電4%

数値はTeslaアプリの「充電の統計情報」画面に表示されているものをそのまま転記しています。月あたりに均すと、充電量は約65kWh、充電費用は約2,100円です。スマホの月額料金よりも安い金額で、ひと月分の「燃料」がまかなえていることになります。

データの前提として、私は茨城県の戸建てに住んでおり、自宅では200Vコンセントで充電しています。電力プランは深夜時間帯が安くなる契約で、充電は基本的に夜間に行っています。詳細な数値は「Model Y 充電コスト実測データ」のページで定期的に更新していますので、合わせてご覧ください。

誤解1「EVは電気代が高い」——月2,100円という現実

「EVは電気代が高い」という話は、購入前に最もよく耳にした言葉でした。

ただ、改めて自分のデータを見ると、月あたりの充電費用は約2,100円です。ガソリン車に乗っていた頃の感覚で考えると、給油1回分にも届かない金額ではないかと思います。

「EVは電気代が高い」と言われる根拠を調べてみると、多くの場合は昼間の電力単価(およそ35円〜40円/kWh)で試算されているようです。日中に在宅して家電をフル稼働させる時間帯の電気代を、そのまま充電にも当てはめて計算してしまうと、確かに高く感じるかもしれません。

しかし、EVの充電は基本的に夜間に行えば足ります。夜にプラグを挿しておけば、朝には満タンに近い状態で出発できる。この前提が成立する限り、契約する電力プラン次第で実際の支出は大きく変わってきます。

ちなみに、私の年間走行距離は約4,800kmでした。仮にハイブリッドではない一般的なガソリンSUV(燃費12km/L程度)で同じ距離を走ったとすると、ガソリン代はおよそ6万5千円(レギュラー162円/L換算)になります。「EVは電気代が高い」という前提が、いつの間にか実態と乖離してしまっているのかもしれません。

誤解2「充電インフラがないと困る」——スーパーチャージャー0%の生活

買う前にもう一つ気になっていたのが、充電インフラの問題でした。「日本は充電スポットが少ないから、遠出するときに困る」と何度も聞きました。

ところが、1年間のデータを見ると、スーパーチャージャー(テスラの急速充電網)の利用比率は0%でした。「その他」の外部充電が4%ありますが、これは旅行先のホテルで普通充電をお借りしたケースなど、ごく限られた場面です。残りの96%は、すべて自宅で完結しています。

ここで一つ用語の整理をしておきます。普通充電とは、200Vの家庭用電源を使ってゆっくり充電する方式のことです。一方、スーパーチャージャーに代表される急速充電は、高出力の専用機で短時間にバッテリーを充電する仕組みです。両者は使い方も、向いている場面も異なります。

戸建てで自宅充電ができる環境があれば、日常の移動の充電は寝ている間にすべて済んでしまいます。スーパーチャージャーが必要になるのは、長距離移動の途中で電池が足りなくなった時だけです。逆に言えば、自宅で充電が完結している人にとって、街中の充電インフラの整備状況は、ほとんど気にならない要素になります。

「充電インフラ問題」が深刻なのは、自宅で充電できない層にとっての話であり、戸建てオーナーが心配する必要のない問題かもしれない——そう実感した1年でした。

誤解3「電気代の値上げで結局ガソリン車と同じになる」——単価で考える

3つ目の誤解は、もう少し将来を見据えたものです。「電気代がこれから上がるから、EVの優位性はなくなる」という意見も、よく目にします。

私の実測データでは、平均充電単価は約33円/kWhでした(外部充電を含む全体の平均)。Model Yの実燃費(電費)はおおむね6km/kWh程度なので、1kmあたりの「燃料代」は約5.5円になります。

これをガソリン車と比較してみます。燃費12km/Lのガソリン車で1kmを走るとガソリン代は約13.5円(レギュラー162円/L換算)、ハイブリッド車(燃費20km/L)でも約8.1円です。電気代が今後1.5倍に上がったとしても、1kmあたり約8円程度で、ハイブリッド車と並ぶか少し上回る水準にとどまります。

つまり、電気代の値上げを織り込んでも、自宅充電を前提とする限りEVのランニングコスト優位は維持されやすい——そう読み取ることができます。重要なのは「電気代が上がるかどうか」ではなく、「自分が契約している電力プランの夜間単価がいくらか」というシンプルな話だと感じています。

データから見えた、EVを「お得」にする3つの条件

ここまでのデータを整理すると、EVの維持費を低く抑えるためには3つの条件が揃っている必要があります。

  1. 戸建てまたは自宅充電器が設置できる住環境であること
  2. 夜間が安くなる電力プランを契約していること(あるいは契約できる地域に住んでいること)
  3. 日常の移動距離が、自宅充電でまかなえる範囲に収まっていること

逆に、これらが揃わない場合は話が変わってきます。マンション住まいで自宅充電ができない方や、毎日長距離を走る使い方をされる方にとっては、私と同じ数字は出ないはずです。

このあたりは別記事の「EV充電器の戸建て補助5万円は何のための補助金か」や、「【2026年版】自宅にEV充電器を設置する費用は?」で詳しく整理しています。EVの維持費を試算する前に、まず自分の住環境で自宅充電が成立するかを確認することが先かもしれません。

まとめ——「EVの維持費」は環境で決まる

今回のデータはあくまで、茨城県の戸建てに住む筆者1人の1年分の記録です。同じ車種に乗っていても、住環境や電力プラン、走行距離によって結果は変わります。

ただ、「EVは電気代が高い」「充電インフラがないと困る」「電気代値上げで結局同じ」という3つの言説が、少なくとも自分の使い方では当てはまらなかったのは事実です。EV購入を検討されている方は、平均値や一般論で判断するのではなく、自分の生活パターンに当てはめて試算してみることをおすすめします。

なお、現在は太陽光発電と蓄電池の導入を進めています。導入後は「自家発電でEVを走らせた場合のコスト」も、同じデータページで公開していく予定です。EVの「燃料代」が、さらに変わっていく姿を記録できればと考えています。

よくある質問

Model Yの充電費用は月いくらくらいかかりますか?

筆者の場合、月平均で約2,100円でした(年間25,722円÷12ヶ月)。茨城県の戸建てで深夜電力プランを利用し、自宅充電比率96%という条件での実測値です。住環境や電力プラン、走行距離によって金額は変わります。

スーパーチャージャーは本当に使わなくても困らないのですか?

戸建てで自宅充電ができる環境であれば、日常の用途ではスーパーチャージャーをほとんど使わずに過ごせる場合があります。筆者の1年間の実測でも利用比率は0%でした。一方で、長距離移動が多い方や自宅充電ができない方の場合は、急速充電網へのアクセスが重要になります。

マンション住まいでもEVのコストメリットは出ますか?

自宅充電ができない場合、急速充電や外出先の普通充電を組み合わせる必要があり、充電単価は戸建てで深夜電力を使うケースより高くなる傾向があります。集合住宅向けの充電導入サービスを活用できるケースもあるため、まずは管理組合や物件の状況を確認することをおすすめします。

あわせて読みたい:テスラの鍵は3種類|スマホキー・カードキー・キーフォブの使い分けと費用


テスラ紹介割引

テスラの購入をご検討されている方は下記からお手続きいただくと紹介割引が適用されますので是非ご検討ください!

>紹介割引を見てみる

投稿者 TOSHI

EV・ガジェット大好きなIT業界に勤める、男の子二人、奥さん、ポメラニアンと過ごす40代。東京から地元茨城に移住し、平家戸建のITホーム化に勤しみつつ、念願のテスラを購入し楽しくドライブ中。EV、ガジェット関連の生活が便利で豊かになる情報を発信していきます。