電気自動車(EV)に興味を持ったとき、まず気になるのが「充電にどれくらい時間がかかるのか?」という点です。
ガソリン車の給油は5分程度で終わりますが、EVは充電方法やバッテリー容量によって時間が大きく異なります。
本記事では、EVの充電時間をわかりやすく解説しながら、急速充電・普通充電の違いやバッテリー容量別の目安一覧表も紹介します。
EV初心者でもイメージが湧くよう、実際の車種を例にしながら解説していきます。
EVの充電方法は大きく分けて2種類
EVの充電には大きく分けて「普通充電」と「急速充電」の2種類があります。
普通充電(AC充電)
・出力:3kW〜6kW程度
・所要時間:数時間〜一晩
・主な設置場所:自宅、ショッピングモール、職場など
コンセントに近い形の充電方式で、充電速度は遅めですがバッテリーへの負荷が少ないのが特徴です。
夜間に充電しておけば、朝には満充電になっているため、日常使いに最も適しています。
急速充電(DC充電)
・出力:50kW〜150kW(超急速では350kWも)
・所要時間:20〜40分程度で80%充電
・主な設置場所:高速道路のSA/PA、道の駅、EV充電スポットなど
バッテリーに直接電気を流し込む方式で、短時間で一気に充電できます。
ただしバッテリーへの負荷が高いため、80%までで自動停止する機種が多いです。
EVの充電時間を決める5つの要素
- 充電器の出力(kW) → 出力が大きいほど早く充電できる
- 車両側の受け入れ上限(kW) → 充電器の出力より、車両が対応している速度が低ければ制限される
- バッテリー容量(kWh) → 大容量のEVはその分時間がかかる
- 現在の充電残量(%) → 0%→100%よりも20%→80%のほうが早い(制御制限のため)
- 気温・バッテリーの温度 → 極端な寒さ・暑さでは制御が入り、充電速度が低下することも
主要EVの充電時間目安一覧【普通&急速】
| 車種 | バッテリー容量 | 普通充電(6kW) | 急速充電(50kW) |
|---|---|---|---|
| 日産リーフ(40kWh) | 40kWh | 約8時間 | 約40分(80%) |
| 日産リーフ(62kWh) | 62kWh | 約12時間 | 約60分(80%) |
| テスラ モデル3(60kWh相当) | 約60kWh | 約10〜12時間 | 約30〜40分 |
| テスラ モデルY(75kWh) | 75kWh | 約13時間 | 約35分(150kW超) |
| 三菱eKクロスEV(20kWh) | 20kWh | 約4時間 | 約20〜25分 |
| BMW iX3(80kWh) | 80kWh | 約13時間 | 約34分(150kW) |
| ホンダe(35.5kWh) | 約35kWh | 約6時間 | 約30分 |
※普通充電は200V/6kW前後を想定。急速充電は50kWを基本に想定(車種により対応上限あり)
「満充電」にこだわらなくてもいい理由
EVのバッテリーは0%→100%のフル充電を頻繁に繰り返すと劣化が進みやすいと言われています。
そのため、多くのユーザーは20%〜80%の間を維持する使い方をしています。
さらに、急速充電では80%以降の充電スピードが急激に落ちるため、80%で止めた方が効率が良い場合もあります。
つまり、「満充電を目指さなくても、必要十分な電力で日常をまかなえる」という発想の転換が重要です。
自宅充電と外出時の使い分けが鍵
EV生活で快適に過ごすためには、「自宅充電」と「外出時の急速充電」の役割を明確に分けて考えるのがおすすめです。
自宅での普通充電(主力)
- 夜間に充電すれば毎朝フルスタート
- 電気料金の安い時間帯を狙えばコスト削減にも
- 雨や寒い日でも車から降りずに充電できる
外出先での急速充電(補助)
- 長距離ドライブや旅行時の途中補給に最適
- 目的地の充電スポットを事前にチェックしておくと安心
- 利用頻度が多いと電気代はやや割高になることも
実は「充電時間の長さ」はそれほどネックじゃない?
EV初心者が心配するポイントのひとつが「ガソリン車より充電時間が長い=不便」という思い込みです。
たしかに急ぐときにはネックになるかもしれませんが、以下のような考え方で「気にならない」と答えるユーザーも多くいます。
- そもそも毎日100%の航続距離を使い切らない
- 目的地での滞在中に充電すれば“ついで充電”で済む
- スマホと同じく「使いながら充電する」感覚に近い
実際の運用では、「空になったら入れる」ではなく「時間があるときに少しずつ入れる」スタイルが主流になっています。
まとめ|EVの充電時間は「計画」と「習慣」で解決できる
EVの充電時間はたしかにガソリン車と比べると長く感じるかもしれません。
しかし、充電方法を理解し、日常の中に自然に組み込むことができれば、時間的ストレスはほとんど感じなくなるという声も多く聞かれます。
ポイントをおさらいすると:
- 普通充電は一晩〜数時間、急速充電は20〜40分
- バッテリー容量と出力により時間は異なる
- 20〜80%充電が現実的な使い方
- 自宅充電を基本に、急速充電を補助的に使う
- 習慣化すれば「不便さ」はほぼ解消できる
EVは「走る家電製品」とも言われます。スマホやノートPCと同じように、“ちょこちょこ充電”を楽しむ感覚で使いこなしてみてください。
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