電動車を検討している方の中には、「EV(電気自動車)とPHEV(プラグインハイブリッド車)、どちらを選べばよいのか迷っている」という方も多いのではないでしょうか。どちらもエンジン車に比べて環境負荷が低く、将来性が高い選択肢ですが、その仕組みや使い勝手には明確な違いがあります。
この記事では、EVとPHEVの構造的な違いから、走行性能、維持費、充電のしやすさなど、ユーザー視点で役立つ比較情報を項目別にまとめています。2025年の選択肢として、どちらが自分に合っているのかを考える参考にしてみてください。

EVとPHEVの基本的な構造の違い
まずは両者の最も基本的な違いについて整理しておきましょう。
- EV(Electric Vehicle):ガソリンエンジンを一切搭載せず、電気だけでモーターを動かす自動車。動力源はバッテリーのみ。
- PHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle):ガソリンエンジンと電動モーターの両方を搭載。通常のハイブリッド車に外部充電機能が加わった構造で、短距離は電気、長距離はエンジンでカバーする仕組み。
言い換えれば、EVは“完全な電動車”であるのに対し、PHEVは“電気の使えるハイブリッド車”という位置づけになります。
走行距離と燃費の違い
EVとPHEVでは、実際の走行シーンにおける特性も異なります。
EVの走行距離
- モデルやバッテリー容量により異なるが、現在の主流モデルで一充電あたり300〜600km前後が一般的。
- テスラ、日産アリア、ホンダe、BYD ATTO 3などが代表格。
- 急速充電に対応していれば、30分程度で200km分の充電が可能なモデルも。
PHEVの走行距離
- 電気モーターのみでの走行距離は30〜100km程度が目安。
- それを超えると、自動的にガソリンエンジンに切り替わり、ハイブリッドモードで800km以上のロングドライブも可能。
- トヨタプリウスPHEV、三菱アウトランダーPHEVなどが有名。
EVは日常使いに十分な航続距離を持つ一方で、長距離移動や旅行時には計画的な充電が必要です。PHEVはその点でエンジンが“保険”となるため、充電インフラが少ない地域でも安心感があります。
充電のしやすさと利便性
EV
- 自宅充電設備(普通充電器)を設置できれば、毎晩の充電で十分に運用可能。
- 公共の急速充電スポットが都市部・高速道路に増加中。
- 充電にかかる時間は、普通充電で6〜10時間、急速充電で30分〜1時間程度。
PHEV
- 基本的に普通充電のみで運用されることが多く、急速充電非対応のモデルもある。
- 毎日の通勤や買い物程度の走行なら電気だけで済ませられるケースも。
- ガソリンスタンドが利用できるため、出先での“電欠”リスクはゼロに近い。
自宅に充電設備があるか、外出先でどれくらい充電するかなど、ライフスタイルによって利便性が分かれます。
維持費とコストパフォーマンス
ランニングコストはEVとPHEVの選択を左右する大きな要因の一つです。
EVの維持費
- 電気代はガソリン代より安い(1kWhあたり30円として100kmで約300円程度)
- エンジンがないため、オイル交換不要・部品点数が少なく整備費も安い
- 税金(自動車税)や車検時の費用も優遇対象が多い
PHEVの維持費
- 電動走行部分についてはEV同様に電気代が安く済む
- ただしガソリンエンジンの整備や定期的な給油も必要
- EVよりも車両価格が高めになる傾向があるが、エンジンの安心感とのバランスで選ばれる
また、どちらも国のCEV補助金や地方自治体の支援制度を受けられる可能性があり、購入前には最新情報の確認が重要です。
どんな人に向いているか?
| タイプ | 向いている人の特徴 |
|---|---|
| EV | ・通勤や買い物が中心で、1日の走行距離が少ない人・自宅に充電設備を設置できる人・完全なゼロエミッション車に乗りたい人 |
| PHEV | ・都市部と地方を頻繁に移動する人・充電環境が整っていない地域に住んでいる人・エンジンの安心感を捨てきれない人 |
まとめ:あなたの生活に合う選択を
EVとPHEVにはそれぞれに強みと弱みがあります。EVは完全電動の未来志向な選択で、静粛性と環境性能に優れています。一方、PHEVはエンジンとモーターの“いいとこ取り”をした実用的な選択肢で、インフラに依存しない利便性があります。
今後のインフラ拡充やバッテリー技術の進化を考慮して、将来的にはEVへのシフトがより進むと予想されますが、現時点では自分のライフスタイルに応じた選択をすることが最も重要です。
“EV PHEV 違い” “電気自動車 ハイブリッド 比較” “どっちがいい” といったキーワードで情報を探している方にとって、本記事が後悔のない選択の一助となれば幸いです。
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